第21章 酔い潰れ――成人たち
堤version
「俺が連れて帰ります」
夏海の腕をとると東が頷いた
「堤なら安心だな。任せるよ」
「はい」
俺は東さんたち一行と別れ、夏海の家へと向かった
『………つつみん~…………やさしいねぇ………』
夏海がヘラっと笑い、ドキッとしたが平静を装った
「………このくらい普通だよ。夏海もうちょっとだから頑張って歩いてね」
『……はーい……』
だが、夏海の足は次第に遅くなっていく
『……つつみん~………おんぶ~……!』
「え!?それは………」
戸惑っていると夏海は、駄々っ子のようにおんぶ、おんぶと言い始めた
「わかったわかった。ほら」
しゃがんで背中を夏海に差し出すと、夏海は倒れるように俺の背中に体を預けた
夏海の家まであと少しというところで夏海が俺の首にキスをしてきた
「…………ちょっ……夏海!?」
『………つつみん好き………すきぃー』
「………夏海?どうしたの!?」
しかし、夏海はそれ以上は何も言わなかった
その代わりに規則正しい寝息が聞こえてくる
なんとか夏海をベットに寝かせ布団を被せるととても気持ち良さそうに眠る夏海が急に愛しく感じた
俺は夏海の前髪を持ち上げ、額にキスを落とした
「………おやすみ、夏海……」
メモに鍵をポストに入れておくと書き、家を出た
翌日、昼前に起きると夏海からLINEが入っていた
『昨日は迷惑かけてごめんね。ありがとう』
その文面をみて思わず笑みがこぼれた
恐らく昨日のことは記憶にないのだろう
「大丈夫。二日酔いしてない?」
そう送るとすぐに既読がつき、返信がきた
『うーん………ちょっと頭がいたいかな(笑)でも、平気だよ!』
「無理しないようにね」
『うん!』
会話が一区切りしたところで、朝ご飯の用意をして簡単に済ませた
ふと、スマホを見ると夏海からLINEが来ていた
『ところで、私昨日なにもしてないよね……?』
これを送ろうか送らないか一人で葛藤している夏海を想像すると返信した
「何もなかったよ」
もう少しこの気持ちが整理できてから伝えるとしよう