【最俺&アブ】実況に手を出したら大変パニックなことになった。
第2章 ニコニコ超会議へ出陣
「お兄ちゃん絶対許しません!!」
「あんたはお母さんか!いいじゃん超会議!出たい!!」
「これ以上繭子が人気者になるのはいやだあああああ!」
「そう簡単になんねえよ!!実物見たら引くかもしれないじゃん!」
「なわけないじゃあああん!繭子童顔で超可愛いし、ちっちゃいし、なのにおっぱいあるし!!!」
「変態!!!!!!!」
バコン!
我ながら朝っぱらから煩い兄妹だと思う。
私の鞄は兄の顔面に飛び、兄もまた後ろに吹っ飛ぶ。
(そこまで力入れてないつもりなのにな!てへ!)
「私もう子供じゃないんだから!自分でやることは自分で決めます!第一、お兄ちゃんも出るんでしょ?」
「俺は解説だけね。顔出しはしないし。繭子も声だけにしなよ今からでも遅くない!顔出し反対!!」
「もう遅いっつーの!それに、顔は出さないし。これ被ってく!」
私がドヤ顔で取り出したものはお面。
顔出しがどんな影響を呼ぶかは知らないけど、
姿を現しても「ぴょこ太だ」って解るようにしたかった。
なので、そのお面は少しウケ狙いに走っている。
お面に描かれたものは「( ・´ー・`)」の顔文字だ。
我ながら凄い腹立つ出来だ。
「なんでそれにしたし…」
「私らしいじゃない?」
「まあ、うん…」
こうして説得(?)した私は
超会議への出演を(無理やり)許可してもらった。
「駅までは一緒に行くけど、そこからは別行動ね。」
「えーーなんでーーーーー」
「一緒に来たらおかしいでしょ。兄妹ってバレたくないもん。」
「誰も俺たちの顔知らないんだし良いじゃん」
「声でバレるっつーの。特にお兄ちゃん。ドラン○ドラゴンの鈴木の声に似てると話題に」
「やめてよおおおおおおおおお!!!」
声を上げて笑う私に、兄は小さくデコピンする。
コイツは本当にどうしようもないシスコンだし、
変態だし、ホモだけど(?)
こうやって戯れあうのは、嫌いじゃない。
「(…なんて言ったら調子に乗ってつけ上がるから、絶対に言ってやんないけど。)」
それから駅まで歩いていき、
私たちは小さく手を振り、別の車両に乗った。
この時は思いもしなかった。
これからが本当の慌ただしい日々になるとは。