第7章 悪魔の忘れ物
怪しく緩んだ口元は、刑事とは真逆。
完全犯罪が成功した犯人。
毒々しく笑う彼は、私達を舐めるように見て、こう言った。
「仲間に入れろよ」
その口ぶりは、先ほどまでとは別人で、公務員だなんて信じられない。
仮にも国民の平和と安全のために働く人が、こんなにも悪役に堕ちていいのだろうか。
「おめーらのこと見た時から面白そうだと思ったんだよなー。
乱交パーティーだろ?
俺も混ぜろよ。アヘアヘにしてやっからよ」
豹変。
根津さんの視界に映るのは、強張った私の姿。
その場から身動きもできないほど、衝撃を受けたらしい。
「ワンワンうるさいっすよ」