第7章 悪魔の忘れ物
ドンドンドンドンッ
重厚な扉がものすごい勢いで殴られる。
板は悲鳴を上げて、早く止めろと私に訴える。
「な、なに⁉︎」
結城くんも吉野さんもこれにはびっくりしたようで、私同様、状況を飲み込めていない。
「よ、様子を…」
吉野さんが扉に近づき、覗き穴からうかがう。
「あいつは…」
その驚愕を隠し切れていない声は、「あいつ」が誰だか教えてくれた。
「根津さん!?」
急いで私も覗き、外を監視する。
不満をあらわにした根津さんが扉をけたたましく叩いていた。
「開けなさい。
あなたがたの行動・言動はお見通しだ」