第6章 調教の成果(邪魔された)
根津さんがくるりと背を向け、ドアノブに手を掛けた。
私は、若干状況を飲み込めていないまま、見送る。
最後に一礼をして、何事もなかったように去る根津さん。
「皆さん、帰りましたよ」
ソファを起点に呼びかけて、結城くんは服を着ていないまま現れた。
その直後、同じく半裸の吉野さんもひょっこり現れた。
「チキンっすね」
「…くっ」
結城くんが、吉野さんをあざ笑うように、見下ろした。
「背伸びをするのは、大変でしょう」
その結城くんの頭を、すん、と押して、かかとを床につけさせる。
「何するんすか!」
結城くんも背が高いと思ったけど、こうして見ると吉野さんの方が高身長なことに気づく。