• テキストサイズ

男性声優さんの裏生活【R18】

第3章 住居人


俺を急かす達央。


いつもの笑顔が心なしか楽しそうに見える。


お前らしいよ。


そう心の中で声をかけ、俺はフッとばれないように笑って、番号を入力した。


入ってすぐ左にある管理人室。


窓ガラスの先に座る綺麗な顔立ちをした可愛らしい少女を見て、達央は振り返った。


『ビンゴ』


息だけが吐き出されたような、小さな声だった。たぶん相当タイプって事だろ。


ニヤニヤする達央に笑い返すけど、俺は正直迷ってる。


この純粋そうな女の子は何も知らないんだろ。元々は恋愛禁止なんて馬鹿げた制度が間違ってるわけだが……。


駄目だ。いろいろ考えて何が正しいかわからなくなってきた。


ただこの子が本当に嫌がるなら、無理は出来ない。


俺は、無理だけは絶対にさせない。


俺と達央を見た管理人さんは顔を真っ赤にして、慌てた様子で鍵と袋を渡してきた。


受け取るなり達央は中の黒い箱を見て、またニヤニヤ笑って指を差す。


『これか』


今の所はまだ俺に使用予定はないけど、こいつは絶対に使うな。たぶん、今夜にでも使いそうな男だし。


『これからよろしく〜』


意味深な達央の言葉に続けて俺も笑って見せる。


『よろしくね』


『は、はい……!よろしく、お願いします!!』


緊張した大きな声と、可愛いのに自信なさげに縮こまった態度と眉の下がった表情。


断じて言いたい。俺じゃなくてこいつのせいって。


ヤバい、この顔……たまんないわ。
/ 46ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp