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男性声優さんの裏生活【R18】

第3章 住居人


「君、声優好きでしょ」


必死に頷くわたし。たぶん顔が真っ赤で変な表情だ。


ツイてるって言っていいのかな。


でも非現実に近い。


これって本当に夢じゃない?わかんない、夢じゃないんだよね?もう自分がわけがわからなくなる。


「よろしくね」


「こ、ちらこそ…」


諏訪部さんの私服カッコイイな…。


鍵を準備しながら諏訪部さんを横目に見る。


絶対に毎朝早く起きて見るな、わたし。他の住居人さんより絶対に贔屓する!


だって声優さんだもん。


「どうぞ」


鍵を差し出すと、受け取る時に諏訪部さんの手がわたしの手に重なる。


ビクッとなって、手を引っ込めた。


「あ、ごめんなさい…。緊張しちゃって……」


今、手当たった…。


声優さんに触れた?


イベントにもライブにも行った事がないわたしだけど、普通イベントでも触れるなんて出来ない事。


一(いち)一般人のわたしが、しかもファンごときが…今神の領域に踏み入ったのかもしれない。


これ以上お近づきになりたいなんて欲張らないから、せめてたまに一言二言……。


これって欲張りかな?


「じゃあまた今度ね」


手を振って歩いていく後ろ姿を見て、諏訪部さんが引っ越すまでは絶対に仕事を辞めない事に決めた。
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