第1章 起きたら入ってた【一期一振】
「あっ、だめ、なのに…っ、あぁん、きもひ…!」
口から零れるあられもない喘ぎ声をどこかぼんやりと聞きながら、男はこのまま快感に流されてしまってといいのではないだろうかと考え始める。
だって今抜いたところで辛いのは自分だ。
それにどうがんばったって一期は男を離してはくれなさそうだし、いっそもう一度イって万全な状態で抜いたほうがいいのではないだろうか。
そうだ、そうしよう。
心の中で幾つかの言い訳を並べて、男はより気持ちよくなるために腰を揺らす。
「ん、ふぅ…あぁん、ひあ、ぁぁあ、きもひ、きもひい…っああ!」
気持ちいい気持ちいい。
一期にされるのとは違い、自分のペースで好きなように当てられるのは気持ちよすぎて辛いなんてことにならないからいい。
ちょっとハマりそうだ。
「そ、こぉ…あふ…んぁあ」
ぬち、ちゅぼ、
いやらしい音をたてながら、男はその快感に身を震わせる。
時折ぴくんと跳ねる身体と、だんだん荒くなっていく息。
こんな姿一期に見られたら、なんて杞憂は男の頭にはなかった。
この時までは。