第2章 新たな日
岩泉に無理やり腕を引かれベンチに戻る及川の視線はコーチではなくに向いたままだった
「及川聞いてるのか?」
及川「・・・え?あ・・すみません聞いてませんでした」
いつもの人をイラつかせる返しが出来てない及川に対しチームメイトは驚いていたがコーチの声に呼び戻された
試合もコーチの話も終わりパッと視界を客先に向けたがの姿はもうなかった
居るのはいつもの女子だけ
帰り支度もままらないまま岩泉に荷物を託すと直ぐに玄関に向かって走った
(見間違えじゃない、まだ近くにいるはず)
息を切らし玄関を見ると靴を履き替えているの姿があった
声をかけようとしたが上手く声が出ない。あと数歩歩けばに触れられる
そう思っているとがゆっくり振り返った
思いが通じたのかと思った及川は膝に手をつき笑った
『徹君?!どうしたの!?』
及川「どうしたって・・そりゃこっちの台詞だよ」
”そうだったね”と苦笑いするの表情にドクンと心臓が跳ねた
『募る話もあるんだけど、行かなきゃいけないんだ』
及川「・・ダメ・・だ
行くなよ!!」
いきなり声を荒げた及川に周りも驚き振り返るがはポカンとした表情で及川を見つめていたが次の瞬間クスクス笑い始めた
及川「なに笑ってるの」
『だって・・ククそんなに焦らなくても笑』
及川「焦るでしょ!だってもう・・」
『あ、そうだった、私明日から青葉城西に転入することになったから』
”よろしくね?”がそう笑顔で及川に伝えると今度は及川がポカンとしていた
『クラスは分からないけど高校が一緒だからお話できるし、ね?だからまた明日ね』
そう伝えたは手を振り体育教師の元に走っていった