第6章 土翁と空夜のマリア
「頑張って!今助けるから!」
声がした方へ行き、瓦礫を一つずつどかしていく。
イノセンス使えたら楽だけど、この中の人に当たったら大変だから使わない。
「うぅ・・ッ」
だんだんと身体が見えてきた。
服はよごれ、腕からは血が垂れている。顔や体にはかすり傷か切り傷かわからない程の傷が無数についている。
「大丈夫!?ほら!」
瓦礫を避けたものの立ち上がろうとしない探索部隊の少年。まだ見た感じ若い。あたしよりも年下だろうな・・
「た、たた助かった・・のか。
あなたは・・え・・くそしすと?」
「うん・・遅くなってごめん」
見るからにオドオドして震えている。こんな恐怖心が剥き出しになっている探索部隊を見たことがない。
「は・・っ!助かった・・」
「助かったよ!立てる?」
腕を引っ張り抱きかかえるように起こす。
相当ダメージがあるみたい。自分の力じゃ立てそうもない・・
「みんな・・みんなは・・?」
「・・・・」
みんな・・それは探索部隊の仲間は?という意味であろう。あたしが見たところは誰も居なかった。探索部隊の死体が数体見えただけ。
生存者はきっと・・居ない。
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