第5章 マテールの亡霊
同時刻
南イタリア マテールの地
────マルコ・ポーロ
こわい・・こわすぎる。
こんな本当に死ぬかもしれない任務に来るんじゃなかったと、何回後悔した事だろうか。
「うまく切り抜けたな。」
僕の隣に腰かけているのは探索部隊での先輩。任務経験もそこそこあり頼れるが、一緒に居ても命の保証はない。だってただの探索部隊なんだもん。
「そうですね。」
そして目の前に居る人形と人間が、今回僕達が守り抜かなければならないイノセンスらしい。
イノセンスが大事な事はわかってるよ。
でもでもでも一番大事なのは命なんじゃねぇの!?
僕はこんなところで死にたくないんだ!!
できれば今すぐにでも逃げ出したい。
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