第5章 マテールの亡霊
「そういえば夢と神田の団服て似てませんか?」
ボートが進み落ち着いたところで話しかけてみた。門のところでの一件以来、この2人との絡みがそんなになかったので仲良くなれる良いチャンスだ。
神田とはそんな気ないですけど・・
「よう気付いたな!
あたし、リナリーみたいに足出すの嫌なんよ~
やからジョニーに頼んで神田の女版ぽくしてもらってん!!足も見えんし寒くないやろ~」
「パクリ女」
へへへと笑みを浮かべながら足を見せてくる夢。確かに露出していないし、真冬でも寒くなさそうだ。
そんな彼女に向かって、ボートの脇板に肘をつきながらボソッと呟くのは神田。
興味なさそうにしてて、ちゃんと僕たちの会話を聞いている・・
「パクリちゃうわ!参考にしただけやんか」
「同じだろ・・アホ」
「あほちゃうしっ!」
「うるせぇブス」
「ぶすちゃうしぶーす!」
「お前の事だろ」
「あんたの事や!」
まるでコントのようにテンポよく繰り広げられる会話。神田って意外に喋るんだ・・
まあ嫌味ったらしはそのままですけどー
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