第3章 大切な人
カン・・ダ・・・・?
あったかい・・
あたしの目の前は神田の肩がある。
ゴツゴツしてて痛いけど、すごく温かい。
ぎゅっと力強く抱きしめられている。
少し動こうとしても、変わる事なく抱きしめてくる。
「・・・・ッ」
バクバクしている心臓がだんだんと落ち着いてくる。
頭の中に考える思考能力が徐々に取り戻されていく。
自分自身を取り戻していくかのように現実に戻っていく感覚。
夢でもない。幻覚でもない。
いや、今考えるのはよそう・・
「・・・・」
黙ったまま。
何も喋らない神田。
あったかな人の温もりを感じる。
少しだけ・・もう少しだけ・・
このまま・・
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