第3章 大切な人
「あの子にとったらノエルさんはお母さんみたいな存在だった。
あの子だけじゃなく、ノエルさんは本当に優しくて時に厳しい。女性だけど仕事もできるし、探索部隊の中でもリーダー的存在だったんだ。
これは俺が聞いた話なんだが・・・・」
耳にした話は想像するだけで寒気がする。
俺は自分の両親をAKUMAの襲撃によって殺された。
行くあてのなかった俺を拾ってくれたのがこの黒の教団だ。
本当はエクソシストとして活躍したいのが本音。
でも、エクソシストは選ばれた人間しかなれないんだ。俺は選ばれてない。
だから、探索部隊で役に立つんだ。
でも、エクソシストになりたい。これは捨てきれない希望だ。
でもこの話を聞いて、俺はエクソシストじゃなくて良かったと思ってしまった。
大切な人を失う悲しみはできるだけ味わいたくない。
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