第13章 奇妙な館
────ノイズ・マリ
ヘッドホンからAKUMAの気配が聞こえた。このヘッドホンは特殊な構造になっていて遠くの音も耳を澄ませば聞こえるようになっている。
失明してからは全てを耳で感知している。私の生活には必要不可欠な物だ。
急いで東へと向かうと木々が生い茂る森のような場所にきた。そこには先ほど逃げ出したAKUMAがいた。
「あたしが行く!
イノセンス発動!夢ノ杖 キリキリ舞!」
AKUMAが見えた途端に走るスピードを上げ走って行く夢。
デイシャが死に、師匠と会うまで私達の間にはほとんど会話がなくなっていた。きっとムードメーカーが意気消沈していたからだろう。
一緒に来ると言っただけでも成長したと思う。しかし、師匠と泣いたあの時以外は泣いているのを見ていない。
私が知らない間に成長していってるんだな。
師匠と会ってからは笑顔も見せるようになり安心した。
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