第12章 元帥の元へ
「だ、大丈夫ですか!?」
「怪我がすごい・・」
「女の子なのに・・」
「・・・・夢。」
後ろの探索部隊が騒ぎ始めた。振り返ると真っ直ぐに立った夢の姿。朝日が後ろに輝いていてはっきりと顔は見えないが、泣かずに真っ直ぐに前を見ている。
「・・・・」
「大丈夫なのか?」
マリの問いかけにも応えずに俺達の横へ立ち、デイシャの亡骸を見据えている。
「デイシャ・・ごめんね。
・・あたしは大丈夫。一緒に行く。」
「・・わかった。」
これがあの夢なのか・・?ノエルが死んだ時はずっと泣いていた。部屋での引きこもりが終わったかと思えば、鍛錬場に籠ってボロボロになるまで修行をしていた。
コイツがまた笑い出すようになるまでどれほどの時間がかかった事か。
それが、さっきの出来事なのにもう心の整理をしたのか・・?
「ああ。」
「デイシャの事は頼む。」
俺達は残っている探索部隊にそう告げて、南に向かう事にした。
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