• テキストサイズ

【テニプリ】王子様と私【R18】

第1章 【仁王雅治】会えない時間




「指輪……?」

「俺は部活でつけられんから代わりに名前を掘ってもらった」

「ほんとだ……雅治の名前が入ってる」

「俺がこいつを贈った意味……わかるじゃろ?」



これでわからない筈がない。
ペアじゃないとしても、この指輪から「お前が好きじゃ」って雅治の声が聞こえるような気がする。


暗く考えてしまっていた自分が恥ずかしい。



「うんっ……ありがとう……っ」

「また泣くんかお前さんは」

「だって……っ」

「まあ放っておいた俺も悪いからの……今日はその分埋めてやるぜよ」



もう私の心は満たされて、とても幸せな気持ち。
でも雅治はまだプレゼントをくれる。


自分んちの玄関先にも関わらず……辺りの寒い空気をあたためるくらいの熱いキスを、私達は交わし合った。



「なんじゃ、やけに積極的じゃのう」

「ダメ……?」

「そうじゃな」

「どうして……?」

「まあ俺に任せんしゃい。先ずは家に入れてくれんか」



この後雅治とどういう展開になるのか想像してしまった私。
まだお互い中学生だけど、彼の事は大好きだからしても構わないと思う。


でも怖い。
私には経験がない。


耳にする情報はどれも「最初はもの凄く痛い」という事ばかりだったから……私にとって身体を重ねるというのは恐怖のが大きかった。



「そう緊張しなさんな」

「わ、私した事ないから……」

「ん?何をした事ないんじゃ?」



ベッドに腰掛けて、この状況違うの……?!

と、自分だけがいやらしい事を考えていたのかと恥ずかしくなる。


けど他に何かをするような雰囲気でもない。



「クククッ……正解じゃ」

「へっ?!」

「お前さんが考えてた事であっとるぜよ」



ああまた雅治にからかわれた……。
この人はそうやって私の反応を見て楽しんでる。


けど嫌じゃない。寧ろ今は嬉しい。



「雅治っ!」

「どうしたんじゃ抱きついたりして」

「大好き!」



2人で過ごせなかった時間が、きっと今の幸せを作り出してくれたのだろう。


別れるかもとか考えてごめんなさい。
死にたいなんて思ってごめんなさい。



「ああ、俺もじゃ」



こんな私だけど……これからも沢山愛をください。
雅治の愛を私に下さい。


全部全部受け止めて……大切にするから。


/ 5ページ  
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp