【進撃の巨人】 never ending dream R18
第30章 永久に碧く~想い~
「サラ…もう帰るのか?」
エリクは毛布からわずかに顔を出し、眠たそうな声でそう言った。
私は早々に着替えを済ませると、窓ガラスに映る自分の姿を見ながら、乱れた髪を手櫛で整える。
時刻は午後7時。
いつもであれば、あと二時間はベッドで過ごせる時間だった。
しかし、この日はどうしても日付が変わる前に調査兵団本部へ戻りたかった。
なぜなら…壁外調査が2日後に迫っていたからだ。
「明後日…壁外調査に向かう。
明日は朝から忙しい。
だから…少しでも早く帰らないと。」
本当は帰りたくなどない。
このまま朝までエリクと抱き合って眠りたい。
しかし…私は兵士だ。
愛する恋人がいようとも、壁外で巨人と戦う。
それが私の使命。
エリクは何も言わず、ただじっと私の姿を見つめていた。
“明後日…壁外調査に向かう。”
エリクにとっては突然の話だ。
何度も伝えるチャンスはあったが、エリクの笑顔を見ていると、どうしても切り出す事が出来なかった。
直前の報告になってしまった事を詫びるように、私はベッドに横たわるエリクの頬をそっと撫でた。