第1章 短編集
挑みつつ告白
オレは昔から前に進むしか頭にねェ。
暑苦しいのはそんなに嫌いじゃねェし、
青春もそれなりに部活動で謳歌している。
(多少逸れた時期はあったものの)
だからコイツみたいなのも正直嫌いじゃねェ。
「あと一本―!!!コラ靖友!足もっと回せ!!!」
「ウルセー名前!!回してンだろーがァ!!!!」
「靖友ならもっと回せるでしょ!
反抗する前に死ぬ気で回せー!!!」
「っとにテメーは・・・あぁ、クッソ!
回しゃいーんダロ!!」
マネージャーの名前は自他ともに認める鬼マネ。
怖いがその分チャリ部の士気を上げるのがうまいしサポートに回れば心強い味方であり、チャリ部には欠かせない人材の一人である。
ビシバシと強い(それもかなり)鞭を打つ一方、
甘やかすのも得意(ゲロ甘)で上級生から下級生まで皆名前を信頼しているのがよくわかる。
男くさいしむさくるしいし厳しい集団なので女性マネージャーなんてここ何年もいなかったようだが彼女のおかげでちらほら女子マネが増えたのも彼女が要因だ。
よく自分で「私は女子にモテるの」なんて言っていたがそれは本当だろう。実際に他の女子マネは彼女を目当てに来ている。男集団なのに彼女を、なのだ。
やれあこがれてだの素敵だの言うがここはインターハイにも出場する強豪校。
そう簡単にマネージャーは務まらない。
がそこは彼女の腕の見せ所。ただでさえ人手が足りないのにすぐにやめられてはこちらも困るのだがサポートが出来なければいる意味もない。
女子マネ一人一人の得意不得意を見つけ、得意分野のみを任せる。
そーゆー部分においてのマネジメントは彼女が圧倒的にうまい。
その割と男前な容姿と東堂庵の跡取り息子の尽八の妹、という事もあるが何より彼女には人を「魅了する能力」が備わっているといってもなんら不思議ではなかった。
「今日も名前はすごいな!さすがわが妹・・・見習わねば!」
「東堂・・・お前アレ、見習うのかァ?」
「いとも簡単にオレ達の士気を上げるのだ。見習うべきだろう!」
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