第16章 変わるんだ
「なあ!遠野さん喋ったって本当!?」
「ああ!聞いた!「おはよう」って!」
「まじか!!」
「今喋ってるのかもしれねーぜ!」
「3組行こうぜ!」
遠野さんが…みんなの前で。
俺と、同じで変わろうと…してるのか?
「…あ!遠野ちゃんじゃね!?」
咲本がそう言った先には、遠野さんが逃げていた。
「あ!いた!」
「話すんじゃね!?」
廊下にいたやつらが一気に遠野さんのところへ押し寄せた。
「あーあ。困ってるって」
咲本が呆れた顔をしてみていた。
遠野さんはおどおどしていた。
そのとき目があった。
俺は、無意識に言葉を発した。