第16章 変わるんだ
「…お前ら やめろよ。困ってるじゃねーか」
その瞬間、周りの視線が一気に俺のほうに向いた。
「あー?なんだよー。お前には関係なくね?」
「つーか、ちょっと仲いいからって、調子のんないでもらえますか―?」
「…やばくね。高坂だろ…。そんな風にいったら」
調子なんて、のってねえよ。
ただ
彼氏、なんだから。
遠野さんのことが…好き…だから。
変わるんだ。
その時
「高坂…くん」
遠野さんが俺の名前を呼んだ。
「…え」
「遠野ちゃん…まじで…喋った…!」
一気にざわついた。
「ありがとう」
遠野さんは、俺にそう言った。
微笑んで、言った。