第16章 変わるんだ
「…え、今誰喋った?」
「わかんねぇ。つーかこんな声のやつクラスにいたっけ」
「いなかっただろ…」
「ていうか、遠野ちゃんが立ってるとこから聞こえた…ような」
「気のせい…じゃね?」
「…いや、俺も聞こえた…」
「…じゃあ」
「遠野ちゃんが喋った!!??」
「…俺さ」
「?うん」
「校門のとこで…走ってきたんだよ」
「…遠野ちゃんおいて?」
「ああ」
「やっぱ、女子と二人でいるとこ…見られんのが嫌だった」
「高坂…」
でも
「でも、変われるような気がした。頑張ってみるよ」
「…おお!」