第2章 守ってみせる~10年後 獄寺隼人~
『ここがミルフィオーレアジト…何と言うか、思ったより普通ですね』
「獄寺、運転ありがとう」
「いえいえ!俺ができるのはこれくらいなんで…」
十代目を先頭に、、俺の順にアジトの中へ入っていく。
案内された部屋では、白蘭が待っていた。
「よく来たね、綱吉クン。」
「待たせたな、白蘭」
「来てくれてうれしいよ。それじゃ、君たちはここで・・・」
『白蘭さん。私は沢田綱吉の秘書をしております、と申します。…差し出がましいこととは存じますが、ボスを一人送り出すわけにはまいりません。』
「そっかー。でもねぇ、ボクも一人だからさぁ。綱吉クンと”二人で”話し合いたいんだよねぇ」
『ですから…私も同席させていただけないでしょうか。お二人の会話につきましては、一切介入いたしません。』
「…うーん。しょうがないなぁ。まぁ、”秘書”さんだしねぇ。いいよ、その度胸に免じて許してあげる」
『恐れ入ります』
「それじゃ、獄寺クンはここでね。あ、無線機とか無しだからね。」
「…獄寺。」
「…はい……」
取り付けていた無線機を外す。
「…何かあれば、呼んでください。」
「うん。また、後でね」
「…ご武運お祈りします」
「あははっ大袈裟だよ。…じゃあ、行こうか」
『はい。
…隼人、行ってきます』
…今思えば、この時お前は全てを見透いていたんだ。
緊張でも、恐怖でもない。
一瞬、切なげに笑みを浮かべ、白蘭の待つ部屋のドアを開けた。
パァンッ
扉が閉まってから、1分もしないうちに、中から銃声が聞こえた。
「十代目・・・?十代目ぇー!」
『白蘭っ!!』
「…?」
パァンッ!!
の叫び声のすぐあとに、二発目の銃声が響いた。
の怒りを込めた声…二発の銃声…
もしかしなくとも、間違いない。
体中の血の気が一斉に引く。
「…白蘭!会合は中止だ!今すぐ扉を開けろ!おいっ!十代目とは無事なんだろうな!?もしものことがあったら…」
「”あったら”…何だい?」
ゆっくりと、ドアが開かれる。