第5章 旦那様はXANXUS様~XANXUS~
「なんて顔してんだ」
私たちは今、肩を並べて食後のコーヒーをソファーで飲んでいる。
「うっるさい!ザンザスのせいでしょ、わからず屋!」
足を抱えて、そっぽをむきやがった。
「俺に指図なんかできるのはじじいくらいだ」
「…お父さま、元気かな。またリンゴパイ焼いてご挨拶に行こう」
「勝手にしてろ」
「なにいってるの、ザンザスもよ」
「めんどくせえ」
「…たった一人の家族じゃない」
「…そういや、じじいが最近連絡してきたかと思えば孫の顔がみたい、とほのめかしてきやがるんだが」
「あら、お父さん私には何も言ってこないのに…って、ちょ、ちょ!何してんの?!」
後ろからいやらしく胸をまさぐる右手と、
スカートをまくりあげてさわさわと太ももに添えてくる左手を掴んで、思いっきり手の甲を捻る。
「なにすんだカス」
「カッ…?!なにしてるのはそっちでしょ‼」
「決まってんだろ、話の流れで分かれ」
「いや、全然、行為自体に抵抗はないんだけれども…
今わたし、怒ってんのよ?!」
「無用だつってんだろ」
「夫の健康意識するのは当たり前でしょ?!もー、いつ体壊すかってひやひやしてる私の気持ちも知らないで…!」
「俺が肉ばっかだからって栄養士の免許までとった誰かさんの料理でバランスとれてるから大丈夫だろ。」
ベスターの嗅覚を利用して探しあてたウイスキーを瓶ごと流し込むザンザス。
「…いっつもザンザスのペースにのまれてるなあ…はあ…」
「諦めろ」
「…今日はそれだけだからね。」
「なんならお前も飲め。これならお前も呑めそうだぞ」
「えー…水割りなら、なんとか」
「安心しろ、酔いつぶれたらベッドで可愛がってやる」