第5章 旦那様はXANXUS様~XANXUS~
ヴァリアーアジト。
会議も終盤、ボス・XANXUSは先ほどから時計をチラチラみて、そわそわしている。
「帰る、あとは頼んだ」
「任せてボス♥︎」
車を運転して30分。
指紋認証を受け、エレベーターに乗り込む。
ドアの前で、カードをスキャンする。
ソースのうまそうな匂いが立ち込める。
『おかえりなさいボス♥︎』
エプロン姿の…俺の妻が、胸に飛び込んでくる。
「あ?その呼び名は封印つったろ」
『あらやだこわい。わざとよ、わざと。』
私たちは新婚さん。
元々は上司と部下の関係だったんだけど、いろいろあっていまや夫婦。
しかも、名高きヴァリアーの妻。
『ふふ。』
「…やけに機嫌がいいな」
『早く会いたかったのー。今日もお勤めご苦労様です』
精一杯の背伸びをして、キスをする。
「・・・襲われてえのか、てめえ」
『出来立てを食べてほしいなぁー。』
っち、逃げやがって・・・
「おい。酒忘れてんぞ」
いつものはどうした、いつものは。
『飲み物ならありますよ?はいどーぞ。』
きょとんとした顔で、グラスに透明の液体を注ぐ。
…睨みがまるできいちゃいねえ。
『前から思ってたの、昼間から呑んで、アルコールきついのばっかり。肝臓に良くないよ。だからほら、ビタミンもとれて一石二鳥の特製lemon water』
「俺は大丈夫だ」
『それ、みんな言います。でもね、どんな時も強い人だって病には勝てやしないのよ。
…ザンザスのためにいってるんだからね?わかったらせめて家では我慢してダーリン』