第3章 やっぱ嫌いです。~10年後 レヴィ・ア・タン~
「ぐっ!」
『・・・!』
背中に剣がぶっすりと…って、
レヴィ先輩⁈
「…れび、ボルタァッ!」
ピシャァンッ!!
『れび、せんぱ・・・』
うそ、私をかばって・・・?
「貴様こそすきがあるではないか…たわ、け・・・」
『せっ、せんぱい・・・?ちょっと、しっかりしてください、せんぱーーい!』
____『はぁ、はあ・・・っただいま、戻りました・・・っ』
「おっつー
・・・なんでレヴィおぶってんの?つーかよくおぶって来られたなお前」
『…私を庇って、背中に・・・』
「なーに泣きそうな顔してんだよ。
りょーかい、後は俺に任せろ。お前はボスに報告してきな」
ベル先輩は私の頭をこつんと叩き、レヴィ先輩を担いで、ひきずっていった。
任務は成功した。
吐き気がするほど嫌いなレヴィ先輩が傷を覆って、むしろラッキーじゃない。
なのに、なんで、こんなに胸がしめつけられるの、
「ヘイそこの彼女ー、いつまでそんな顔してるんだーい」
『・・・フラン。』
「もしかして、あんだけ嫌ってたレヴィさんのこと心配してたり?」
『・・・私が、隙を見せたから・・・ベル先輩にも迷惑かけちゃったし』
「・・・はー。いつもの毒舌女はどこにいったんだか。
感傷にひたってるところ悪いですけど、レヴィさんなら大丈夫ですよー。
ちょっとやそっとの傷じゃ死なないって、残念ながら」
『…ねー、なんで私のこと庇ったのかな…』
「んー…いちお、腐っても部下だし?憎まれ口たたかれても、結局は見捨てらんないんじゃないですかねー」
『おい、腐ってはねーぞ、私は』
__翌朝。
『朝食ですよー』
朝食をのせたトレーをもって、レヴィ先輩の自室を訪れた。
『・・・レヴィ先輩。その・・・昨日は、足引っ張っちゃって、すみませんでした。それと・・・助けていただいて、ありがとうございます』
「・・・ふん。当然のことをしたまでだ」
あらやだ、かっこいい台詞言ってくれるじゃないですか。
『いやー、びっくりしましたよぉ。鈍重な先輩が、あのときばかりはめちゃくちゃ速かったですから。ほんと、見直しました。』
「む・・・素直に喜べんが…」