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ねえ、【Dグレ】【神田】

第2章 神田さんの苗字



『漢字はわたし充てるから』
「すきにしろ」

ぱん、とカンダくんは胸の前で手を合わせてから、お蕎麦がのってたおぼんをもって(きょうは 彼のすきな天ぷらだった ご機嫌なのかな?)行ってしまった。

『すきにしろ、かぁ…』

じゃあ そうさせていただきますね。

コムイさんに「神田」と報告しに行ったのは、このあと3分後のことでした。




『あっ』
「なんだよ」
『おもいだした』

カンダ 、わたしが住んでた地名じゃん。

ソファから起き上がると、神田は 読んでいた本から 一瞬だけ目をこちらにむけた。キィ、と椅子が軋んだ。

『ねぇ神田』
「ん」
『いい苗字ね、神田って」
「そうかよ」
『うん』

彼まで近づいて、ありがと、と告げる。

彼は開いた本をわたしに近づけたとおもったら、
まるで屏風のように わたしたちの顔を隠して ちゅ、と口づけた。

「どういたしまして」

そう さわやかに 言ったあと もう一度 キスがおでこにひとつ降ってきた。


おかしいな、
こんなに このこ、かっこよかったっけ。


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