第1章 しあわせにいきる
赤ちゃんはものを把握するため、口に入れるらしいのだけれど、大人になっても大差ないなあ。
神田さんはわたしの口のなかでも指を動かしてくる。
わたしの舌を撫でる。(撫でなくても……!!)
わたしがもしエロいのなら、それは100%、
「神田さんのせいだよ」
「ああ?」
「神田さんが、たくさんあそんでくれるから」
きもちよくなっちゃうんだ。もっともっとって、求めちゃうんだ、わがままになるんだ。
「んん、神田さ、」
「あそんでやるよ」
「え、あっ」
いつのまにか神田さんの指はわたしの唇から離れてて(舐めるのたのしかったのに、、)
代わりに胸までおりてきた。服のうえから 円を描くように そっと撫でられる。
中心は胸の飾り。触って、触って。
「触ってほしいのか?」
こくこくと頷くと、そっか、という返事がかえってきただけで、器用に飾りを避けてくるくると胸で円を描いている。
「か、んださ、……」
「ん?」
「さわって、ほしい」
「ここ?」
「あああっん」
涼しい顔で攻め立ててくる、とんとん、と突起を叩く神田さん。(き、もちい)
もっと、もっとと思ってしまう、神田さんはわたしの弱いところをよく知ってる。
強くしたり、弱くしたり、ときどきつねったり、ひっぱったりしてくる。
「ね、かんだ、さ、ん」
「なんだ マナ?」
うっすらと目をあけると青みがかった瞳に出会う。
そんな涼しい余裕そうな顔で見ないで。
はずかしいよ、神田さん。
わたしばっかりこんなふうにして。
「ん、んああぁ」
神田さんのきれいな指がブラウスの中に吸い込まれていた、
触れるか触れないかのギリギリのところで指がうえにあがっていく。
神田さんは相当ないじわるだから(そこも好き)これも狙ってやってる。でも気持ちが良くて、ふわふわしてくる。
いじわるでクールビューティーな神田さんがクールじゃなくなるまで、もうすこしかかりそう。
じっくりじわじわとギリギリになるまで攻められるなあ。
なんて考えてると、すきがあふれてきて、唇がすき、と動いてしまった。
「 マナ、」
「は、い」
「俺も好きだ」
そう言われたあと、耳元で小さなリップ音がした。