第1章 ようこそ、ECOの世界へ
「もっとこう、わかりやすく教えてくれないかな?」
「実践のほうが早いかと」
「そうだねぇ」
僕は、皆に憑依するように言った。
憑依したい相手の武器を選んで、それを選択するんだ。
僕は、憑依されるまで動かずに待つ。
すると、数分後。
皆が僕の装備の中に吸い込まれていった。
「どうー?」
「装備と同一化するのか!」
「うーん、霊体になって装備に乗り移る感じ?」
「へぇー、凄いね!」
「詳しい性能とかは、冒険しながら覚えればいいか」
「そうだね!」
こうして、僕は皆に憑依されたまま歩き出す。
(でも、何処も違和感がないから不思議……)
暫く歩いて、反対側の可動橋にくると、見慣れたキャラクターが居た。
「みんなー、憑依解除して」
「えぇー、なんで?」
「ダークフェザーちゃんに報告しないと」
そう、目の前にはECOの人気キャラクターダークフェザー・アルマが居る。
彼女は、通常闇羽と呼ばれ、人気を誇るキャラクターだ。
古典的ツンデレ幼女なのだが、それにプラス気品の高さも加わって、とても人気の高いキャラになってる。
「ねぇ、貴方一人なの?」
「ううん、憑依してるんだ」
「そうなの? ならよかったわ。心配してたのよ。ね、ウィリー・ドゥ?」
闇羽ちゃんは、ふわりとうさぎのぬいぐるみに微笑んだ。
ウィリー・ドゥと呼ばれたぬいぐるみは、実は生きている。
しかも、北国の地域で生息してるモンスターだ。
実は、この闇羽ちゃんはモンスターが擬人化した『アルマ』と呼ばれる種族。
だから、アルマ化した時に、一緒にウィリー・ドゥも連れて来てしまったんだ。