第1章 ようこそ、ECOの世界へ
虚しくも、ゲーム脳になった仲間達を見て、ついつい涙が出てしまう。
どうやったら、別な世界にトリップして冷静にレベ上げができるんだろう、と彼らの適応力には頭を抱えるばかりだ。
「だって、恵ちゃん。僕ら全員クエストを受けてる状態だよ?」
「へっ!?」
みっちゃんが差し出したノートは、『クエスト帳』と書かれていた。
中を見てみると、確かに『クローラーを5匹倒せ』というクエストになってる。
(という事は、チュートリアルの最初の場面か)
「どの場面か理解できたよ」
「ならば、説明していただけませんか?」
「最初、夢の中で紙芝居屋さんから、この世界について説明を受けるんだ」
「へぇー、そこから初めてくれればいいのにね」
「その次に、アミス先生から起こされて、実はアミス先生の授業中に居眠りをして、夢を見てた事実を知るのさ」
「いきなり?」
「いきなりだよ。そういう展開で、ゲームのチュートリアルが始まるんだ。アミス先生は、新人プレイヤーを育成してくれる先生だよ」
「ゲームの中の先生か。驚いたもんだ」