第1章 ようこそ、ECOの世界へ
僕らがついたのは、ジョーカーのお兄さんのところだ。
「こ、これは……、可愛い女の子が一、二、三……って、男付きか……」
「恵ちゃんに手を出したら、容赦しないからね……?」
「――刀に錆にしてやろうか?」
「驚きの結果を見せてやろう……!!」
「ヒィィッ、軽いジョークです!!」
(――あれ、倶利伽羅はいつの間に……? まさかね。幼女に手を出しそうだったから、動いただけだよね?)
不思議に思いながらも、私は3人を窘める。
「ほら、話し進まないから」
「そうですよ? お兄さんが怖がってます……」
「ねぇ、ヒールポーションは何処に売ってるの?」
「それなら、酒場に……。うっ、腹が……!!」
急に、ジョーカーのお兄さんはお腹を抱えて倒れてしまった。
「あら……? 痛いの痛いの飛んで行け~」
アンジュちゃんこと、エンジェルフェザーちゃんがヒールをすると、お兄さんはすぐ元気になる。
さっきまで苦しそうな顔が嘘みたいに、晴れ晴れしてる。
(魔法の力って、凄いなぁ……)
「どうせ、嘘に決まってるぜ」
「こら、鶴丸!」
「本当に痛かったんだって……。そこの酒場に売ってるよ」
「ありがとう。さ、行くわよ?」
「お大事にね」
ジョーカーのお兄さんは、包容力のあるアンジュちゃんの一言でデレッデレな様子。
鼻の下を伸ばしながら手を降ってくれた。