第9章 新しい生活
イタチがさゆの前に現れて繋がりが薄くなったのにさゆへの気持ちは冷めることはなかった。
2人が付き合ったという話を聞いてから、忘れてしまおうと思っていろんな女の子と付き合ってみた。
それでも虚しくなって、一層気持ちが増すだけだった。
なぁ、さゆ、お前にとって俺の存在って何なんだ?
幼馴染?
家族みたいなもの?
それとも友達?
さゆがイタチに会うより先にこの気持ちに気づいていたらどうなったんだろうか?
イタチより先に思いを告げていたらどうなっていたんだろうか?
今さらとしか言いようのない考えが頭を巡るけれど、自分の手を取ってくれる彼女は想像できなかった。
想像でくらい俺のものになってよ…
胸のつかえを流そうとみそ汁を飲み干した。