第9章 新しい生活
「あーー今日もさゆちゃん可愛かったなぁ〜」
道でさゆを見かけた次の日の昼、飯を食いに行こうとアオバとライドウと歩いていた。
「お前最近そればっかだな。」
「ライドウこそ、さっき報告書渡すとき顔緩みっぱなしだったぞ。」
最近は任務後に報告書を出す際さゆと会話をするのが楽しみらしい。
2人の他にも男女問わずそう思っている奴が多いらしく、受付所では行列がよくできている。
「それにしてもいつまで受付にいるんだろうな。さゆちゃんて上忍なんだろ?戻ってきたときにあの笑顔が見れるのもいいけど一緒に任務してみてぇなー」
「ゲンマはその辺聞いてねぇの?」
「なんでここで俺に話振ってくるんだよ。」
「お前なんかカカシさんとこそこそ話してたじゃん。」
「知らねぇよ。さゆのことどのくらい知ってるか聞かれて、ただの顔見知りだって言ったらあっそで終わりだよ。」
「なんだそれ気になるな。」
「あ、噂をすれば。」
アオバの声に一斉に顔を上げるとさゆが、定食屋の前で人を待っているようだった。
「声かけてみようぜ。」
「あ、おい」
「おーいさゆちゃーん!」
制止も聞かずアオバが声をかけさゆの方へ歩いていく。
「あ、えーっとアオバさん?こんにちは。」
「こんにちは。誰か待ってるの?」
「カカシさんと待ち合わせしてて。」
1日に何十人と声をかけられるのによく名前を覚えているなと感心する。
そして約束の相手は案の定カカシさんか。
「あのさ、正直さゆちゃんてカカシさんと付き合ってるの?」
「おい、いい加減にしろよ。困ってるだろ。」
「ふふ、こんにちはライドウさん。大丈夫ですよ。カカシさんはよく修行とか付き合ってくれて、お兄ちゃんみたいな感じです。」
あ、そうなんだ。と2人して少し顔が綻んでいる。
「あ、ねぇ良かったら俺らもこれから昼飯なんだけどカカシさんきたら一緒に…」
「ダーーメ。」
アオバが昼食に誘おうとしたのに食い気味で声が重なる。
「悪いなさゆ、遅くなった。」
でてきたのはのんびりとした目をしたカカシ上忍だった。