第9章 新しい生活
コンコンと小さくノックの音が聞こえる。
「どうぞー」と返事をすると予想していた通り。
ドアを少しだけ開けさゆが顔を覗かせた。
チャクラを練っていない状態の俺を見つけてくるあたり感知の腕は鈍っていないようだ。
(カカシさん!)
と小声で手招きしている姿が可愛らしい。
そんなことしてもノックした時点でみんなお前のことガン見してるから無駄なんだけどね。
「入っておいでよ。」
(じゃなくて!!カカシさんが来てくださいよ!)
「良いじゃない。どうせそのうち顔合わせるんだから。」
(バカ!!!声がでかい!!)
「いくら小声で話しても俺に聞こえてる時点でお前の声もまる聞こえだから。観念してきなさいよ。」
「〜〜っ失礼します……」
こちらを睨むように見ながらドアを開け入ってくる。
ずかずかとこちらに近づくと俺の腕を掴みまたドアへ向かっていく。
「失礼しました!」
「いやまてまてまておい!さゆ!」
ぐいぐいと手を引かれされるがままにドアの外に連れ出された。
ドアが閉まる直前に、待機室内の誰かが「カカシさんの彼女か?」とつぶやいた声が耳に入る。
いいね。悪くない。