第8章 決起
「サスケくん!!」
大声で呼びながら里の中を探し回るが姿が見えない。
うちはの集落にもおらず、よく修行した森や一緒に行ったお店など心当たりを探して回っていると川沿いの道でびしょ濡れになったサスケくんを見つけた。
「サスケくん…!!!」
駆け寄りたまらず抱きしめる。
「よかった…よかった…!!」
探している間、もしもサスケくんが自殺してしまったら…そんな想像をしてしまっていたため、姿を見つけて酷く安堵したのか、思わず地面にへたり込んでしまった。
「……姉さん。濡れるよ。」
「うるさい…っ」
もう一度強く抱きしめる。
「サスケくん、私と一緒に暮らそう。」
イタチくんを追いかけたい。
その思いがなくなったわけじゃない。けれど、探している中でこれ以上身近な人を失いたくないと強く思った。
忘れていた感覚。
私はこの感覚をよく知っている。
そして今、サスケくんもかつての私と同じように深い喪失の闇の中にいるはずだ。
それに。
イタチくんがサスケくんだけを生かしたのにも心に引っかかるものがある。
彼はサスケくんを酷く可愛がっていた。
そして一昨日のあの様子。
ねぇイタチくん、あの時君は何を考えていたの?