第8章 決起
「火影様!」
ノックの返事も聞かずドアを開ける。
「おいお前、失礼だろ!」
「良いのだゲンマ。すまないがお主は少し、席を外してもらえるか?」
ゲンマと呼ばれた上忍はこちらを軽く睨みながら部屋を後にした。
申し訳ないとは思うが今はそんな事はどうでもいい。
「うちは一族の集落へ行きました。そこでサスケくんに会って、今は私の家で保護しています。何が起こったのか詳しく聞かせてください。」
「…恐らくお前が見たままじゃ。うちはイタチがうちは一族を皆殺しにした。弟のサスケ以外をな。」
「私はそんなことが聞きたいんじゃないです!!火影様は何かイタチくんから聞いていたんじゃないですか?!」
「すまないがお前に教えられるような事は何もない。」
頭に血がのぼり知らず知らずのうちに声を荒げてしまう。
火影様が何も知らない?
そんな馬鹿な。
「シスイさんが亡くなった時からそうだった。ううん。そのずっと前から。あの子はずっと重い何かを抱えていました。うちは一族だってそう。ずっと雰囲気がピリピリしていて、最近特に様子がおかしかった。それでも貴方は何も知らないと?」
「…ああ。」
だめだ、これじゃあ埒が明かない。
冷静に、自分に今できることを考えるためにひとつ深呼吸をしてまっすぐに目を見つめる。
「分かりました。火影の立場上、言えないこともあるのでしょう。これ以上貴方に問う事は有りません。代わりに、私はイタチくんの後を追います。」
「悪いがそれは許可できん。」
「は…?」
「お主には少なくとも2年はサスケの面倒を見てもらいたいのだ。今サスケは不安定な状態にある。他の誰でもなく、お前が一番適任なのだ。」
「でも…っ!………いえ、少し考えさせてください。」
お辞儀をして火影室を出ようとすると後ろから暫くはお前も家で休むむようにと声をかけられる。
もう一度お辞儀をしてドアを閉めた。