第8章 決起
「イタチくんどうしたの?」
シスイさんが亡くなってから早1年。
イタチくんは自分の中でなにか覚悟を決めたようで、あの日あの晩の、今にも壊れそうな儚さは消えていた。
今日は2人とも非番で、例によってふらふらと甘味屋へ来ているのだが、イタチくんは目の前のお団子をほったらかしにしてボーッと私を見つめている。
「私の顔、何かついてる?」
「いえ、美味しそうに食べてるなぁと思って。」
イタチくんはそう言うと目を細めて優しく微笑んでくれる。
出会った頃は私より小さかった背も今では私の方が少し負けていて、整った顔は以前よりさらに大人びてきていた。
綺麗だなぁと思い眺めていると、今度はイタチくんが「どうしました?」と聞いてきた。