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君を追う

第2章 ことのはじまり


アカデミーの飛び級卒業。

自分でもビックリだ。
確かに周りより少し上かな?と自覚がある程度でそんなズバ抜けたものが自分にあるとは思えなかった。
何はともあれ今日でアカデミーを卒業する。

卒業したら班わけされてその人たちと任務するんだよね。同期いないとか…そもそも先輩と組むとか超アウェーじゃん。仲良くできるかな。敬語使った方がいい?

そんなことをぼんやり考えているうちに卒業式は終わっていた。


とりあえずなるようにしかならないか。


気楽に考えようと退場する人の波にのる。
卒業生は各々迎えに来ている家族の元へ駆け出していた。

「さゆ」

声をかけられて振り返るとそこには三代目の姿があった。
「卒業式おめでとう」
「三代目様…ありがとうございます。」

両親は先の九尾の襲撃で亡くなった。
突然のことで途方にくれていたのを里の上層部がいろいろな手続きなどのフォローから心のケアまで力を尽くしてくれた。そんな動きに救われた人は多いだろう。

今日だってわざわざ火影である三代目様がこうして声をかけてくれた。きっと他の似たような境遇の子の所にも声をかけに行くのだろう。

今まで里ってそんな大事か?とふわふわ思っていたけれど、最近はこの人たちを守れるようになりたいと考えるようになっていた。

「ご両親も君を誇りに思うだろう。」
「ありがとうございます。三代目様やこの里の人を守れる忍になるのが今の私の夢です。」
少し微笑んでいうと三代目様もふっと微笑んで私の頭を撫でてくれた。
「では、ワシはいくぞ。何か不自由はないか?」
「はい。おかげさまで。三代目様もお身体を大切にしてくださいね。」

しっかりしとるわいと笑うと三代目様は手を振って去っていった。

私も帰ろう。両親を失った悲しみはどうしようもない。それでも私のために、ついては里のために頑張っている人たちがいる。

ならば今は前を向いていこう。
私も今日から忍になるのだ。

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