第7章 後ろの少年
とある夜だった。
夕飯の材料を買い、家へと向かっていたときにふらふらとした人影を見つけた。
それは私のよく知る人。
「イタチくん…?」
私の声に反応し顔を上げた彼は今までに見たことのないような、生気のない顔をしていた。
「…さゆ…さん…」
「どうしたの…?気分悪いの?」
「………そう…ですね…」
そういうとそのまま通り過ぎようとする彼の手を思わず掴んだ。
「……っ……イタチくん…」
「さゆさん…」
「………おいで。」
そのまま手を離したら彼が死んでしまうんじゃないかと思い、家へ連れて帰った。
ソファーに座らせ手っ取り早くみそ汁を作ると少しだけ出す。
「食べれる?一口でもいいから。」
「いただきます…」
イタチくんは本当にひと口だけ飲んで微笑んだ。
「…美味しいです。さゆさん、料理するんですね。」
「するよ。1人暮らしだからね。」
イタチくんをその場に残し風呂を洗い、お湯を入れる。
「イタチくん。きて。」
部屋に戻り手を引く。
「とりあえず入ってきて。お湯、ちゃんと止めてね?」
みそ汁ははじめよりは減っていた。
もう一口くらいは飲んだのかな?
服はどうしよう。
下着はそのまま着てもらうとしても服はかえたいよね?
できるだけ大きめのTシャツとズボンを探す。
この頃はイタチくんの背が私よりも高くなってきていた。体つきも初めて会った時より筋肉がついてきている。とはいってもまだギリいけるはず。
洗面台にタオルと着替えをおき食器を片付ける。
大丈夫かな?
自分に何ができるのか考えていると結局そのまま接することしか浮かばなかった。