第6章 君の隣
「イタチくん、やっぱり強いねー!写輪眼使われたりしたら敵わないよ。」
「そう言われても、結局体術だけであなたを負かせられなかったからあんまり嬉しくないですね…」
そういうとさゆさんは「褒めてるんだからこういうときは素直に喜んどきなさいよ」と頭をわしゃわしゃと撫でてくる。
自分でいうのもなんだが、昔から自分は他の同年代の者よりも大人びたところがあるためか、余り子供扱いをされないため新鮮に感じる。
悪くはないな。
「休憩しようか。」
2人で丸太に腰掛ける。
「そういえばイタチくんって弟いるんだっけ?」
以前町で見かけたという彼女の言葉から、しばらく雑談をした。
サスケのこと、
最近出来た甘味屋のこと、
気に入っている場所、
近ごろは一族が木の葉への反感を強めている。親友であるシスイとも最近ではそれに関する会話しかしていない。
誰かとこんな他愛のない会話をしたのは久々かもしれない。
「そういえば任務でサスケと接する時間も減ってしまっているな……」
「そうなの?」
ぼそっとつぶやくとさゆさんが下から顔を覗き込んでくる。
顔が思いの外近くにあり、どきっとする。
「えぇ…なかなか時間がとれなくて…」
「じゃあ今から行こう?私に紹介してよ。」
「えっ…」
手を引かれて前のめり気味に立ち上がる。
「組手は…?」
「あとあと。せっかくの休みにお兄ちゃん一人占めしてたらサスケくんに嫉妬されちゃうからね。」
いたずらっぽく笑うとそういえばどこにいるんだろうと顔を見てきたので今度は自分が手をひいて先を歩いた。