第4章 決意
「俺は反対です!!!」
「落ち着け、カカシ。」
火影の執務室。呼び出されて向かうとその部屋の中にはさゆと三代目、そしてダンゾウがいた。
あの事件から2年、さゆはひたすら修行に励んでいた。一度、忍を辞めるよう勧めたこともあったがその意思はないと即答されたため、それ以来、その提案はしていない。
今回、呼び出されたのはさゆを暗部へと入隊させるという話だった。
さゆは強い。2年前、あの事件の時も並みの中忍以上の実力は持っていたが今では上忍レベルにまでなった。
本来なら危険な任務が主である暗部への入隊自体反対だが100歩譲ってそれは良しとしよう。
俺が反対しているのは入隊するにあたってさゆが出した条件だった。
「こればかりはいくらカカシさんでも譲れません。暗部へ入隊する条件として、任務には1人でつきます。」
「さゆ…!」
「どこに反対する要素がある。さゆの実力は充分にある。それを1番理解しているのはカカシ、お前だろう。里のためにも埋もれさせるには惜しい。1人でこなせる任務をこちらで調整して回せばいいだけの事だ。」
「ダンゾウ、少し黙れ。カカシもだ。少し落ち着け。」
俺とダンゾウのやりとりを静かに聞いていた三代目が
間にはいる。
「さゆ、お前が1人で任務につきたいというのは、今までの班員の死のせいか?」
「…………はい。三代目様、私についての噂は聞いたことありますか…?」
「噂…?」
「私と同じ班になると殉職するというものです。」
「なっ…!!!」
「私も、そう思っています。」
「さゆ!」
「真偽はともかく、怖いんです。失うくらいならはじめから1人で動きたい。他の人の為にも、私の為にも。」
無言でさゆと三代目が向かい合う。お互い、目で会話をしているようだった。
「………わかった。」
「三代目!!!!」
「任務の振り分けは慎重に選ぶ。」
「ありがとうございます。」
なんだこれは。完全に蚊帳の外じゃないか。
「俺の話を聞いてくれないならどうしてここに呼んだんです!!」
「後からこの話を聞いてもお前が反発をするのは目に見えていた。ならば今ここで話を聞かせた方が早い。」
「……っ!!」