第14章 帰還
「うわっ!」
「うおっ!」
日の落ちた里を森へ向かって走っていれば、危うく人とぶつかりそうになる。
「ごめんなさい!だいじょ……ってアオバさん?!ライドウさんも!」
「さゆちゃん?!」
「え?本物?」
サスケくんのことで頭がいっぱいでこの2人のチャクラに気付かないなんて…私もまだまだだな。
「昼頃帰ってきたんです。それで、まだサスケくんと会えてなくて、今向かってて…!」
「わかったから落ち着いて、久しぶり」
「これから飲みに…って言いたいとこだけど無理そうだね。行っといで。」
さすが2人は話が早い。私も話したいことはたくさんあるけど、今はサスケくんが最優先だった。
「ごめんなさい!また近いうちに!じゃあ!」
「あ、さゆちゃん!」
手を上げてさぁいこう、と背を向けた時に声をかけられる。
「おかえり!」
振り返ればニカ!っと笑った2人がいた。
胸の内がどくどくと熱くなる。
「ただいま!」
笑顔でそう言い返せば、行ってらっしゃいと手を振ってくれた。
ああ、私、帰ってきたんだ。
再び地を蹴り走り出す。
風が気持ち良い。
こんなに、こんなに嬉しいものなんだ。
たった一言でここまで気持ちが高揚するなんて。
……ゲンマさんにも会いたかったな。
森の木がどんどんとスピードを速めながら通り過ぎていく。もう少しで2人がいるであろう岩場に着く。
早く、早くサスケくんとカカシさんにも言ってもらいたい。
開けた景色に、人影が見えた。
勘の良い白髪がこちらへ振り返る。
「ただいま!!」