第13章 探すときほど見つからない。
「きちんと歯磨きする事。」
「はい。」
「貴重品は肌身離さず持っておく事。」
「はい。」
「ホイホイ知らない人についていかない事。」
「アカデミー(小学)生か」
「……3年たったら戻ってくる事。」
「大丈夫。あっという間だよ。」
しっかりとした血の繋がりのないその弟は、俯いて、それはひどく寂しそうで、申し訳ないと思う反面、とても愛おしいと思った。
引き寄せれば素直に腕に収まり、私の服をぎゅっと掴む。
「愛してるよ。」
頭を撫でながらそう言えば、えっとこちらへ顔を上げる。
その言葉を、彼に言った事がなかった。
というか、イタチ君以外に、あれ?カカシさんにも言ったかな?まぁ、そんな風に、面と向かって言う事はなかったけれど、それでもこの子の事を、本当の弟のように思っているし、家族だと思っている。
「私はサスケくんのこと、愛してるよ。だから絶対、3年たったら戻ってくる。」
「……兄さんより…?」
ポソリと言った後に、しまったと顔を背ける彼は自分の中では勝手に答えが出ているのだろう。
「同じくらい。」
正直に答えれば、複雑な表情ではあるけれど、納得してくれたようで。ギュッと抱きついてくるその子は本当に可愛かった。