第11章 五里霧中
「ありがとな。」
「…っ」
柔らかく言われたそんな言葉になんだかむずむずする。なんだこれ…なんか親に認めてもらったみたいな…って何をだよ……
自分で考えて自分で突っ込む。
あーなんだこれ…なんか恥ずかしいな…
まぁ、嫌ではないけど……
そんな俺の様子をさっきまでとはまた違った目でカカシ上忍がこちらを見ていた。思わず驚いて「うぉっ」なんて言ってしまったのが地味に恥ずかしい。
「………なんすか…」
俺の問いに一呼吸置いて、大きくつかれるため息。
「はぁ〜…恋する俺としてはやっぱりなぁ〜〜〜安心できないっていうかね〜〜さゆ完全に俺のこと兄みたいにしか思ってないし〜」
ゲンマくんの方が脈ありそうジャーンなんて言いながら、カカシ上忍が机に突っ伏す。
……………
さっきの俺の小さな感動を返してくれ。
「だから俺はそんなんじゃないですから。」
「そーねーゲンマくんはまだ自分の気持ちちゃんとわかってないのよねーそれが恋だよー」
「言ってろ。」
ホントに面倒くさいな。
でもさっきよりも、この人といるこの空間も悪くないと思えてる自分がいた。