第11章 五里霧中
「ゲーーーンっマくん!」
あの後、私も買い物しなくちゃと言ったさゆに付き合っていたら後ろから突然肩を掴まれたかと思ったら面倒な声が聞こえてきた。
「これはこれは…カカシ上忍…」
「カカシさん?」
「やっほさゆ。珍しい組み合わせだね。」
さゆの頭に手を置き撫でながら、俺に向けられたカカシ上忍の目は笑っていなかった。
本当に面倒くさい人だ…。
「今日卵の特売日で、ゲンマさんにたまたま会ったんで手伝ってもらったんです。」
カカシ上忍の手を頭に乗せたままさゆが説明する。その顔はふわりと自然に微笑んでいた。
「そっか」とカカシ上忍が微笑み返す。
待ってくれ一気に持ってかれた。
この空間に入れる気がしないんですけど。
帰りたいと思ったがこんなに露骨に邪険にされると俺としてもこのまま引き下がるのはなんだか負けた気がしてならない。
「さゆ、他に買い物はいいのか?」
「あ、そうでした。あと牛乳だけいいですか?向こうのトコなんですけど…」
「さゆ、それは俺が手伝うから。ゲンマはもう帰ってもいいぞ。」
カカシ上忍がにこにこと笑いながら俺が持ってやってるさゆの分の荷物を持とうと手を伸ばしてくる。その手を制したのはさゆだった。
「ダメです!!1人1つ限定50円なんです!!というわけで2人ともお願いします!」
「だ、そうですよ。」
ニヤリと笑うとカカシ上忍もニコリと微笑み返してくる。結局、行きますよっとさゆに手を引かれながら3人で店へ向かった。