青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第7章 確信した
裏門を出た瞬間に、真横から聞こえてきた声に、私は肩をビクッとさせた。
そちらへ振り向けば、そこに立っていたのは、既に練習着に着替え、腕を組んで仁王立ちの劉。
え、何でバレたのぉ…。
「ワタシを騙そうとしても、そうはいかないアル」
「…何でわかったの」
「今日は英語と体育が連続であったアル。こんな日に鈴佳がサボらないワケないアル。それにHRが終わった後も不自然すぎたアル」
「……」
流石は劉。
伊達に一年以上も私の監視役をしてないな。
あぁ…と私が項垂れていると、劉は私の腕を掴み、歩き出す。
「ちょっ…劉。どこ行くの?」
「部活に決まってるアル」
「嘘でしょぉ…」
もう今日はサボると決めた。
決めたからには何としてもサボりたい。
なのに、無理矢理連行なんて嫌だ。
私は劉の手を振りほどこう、とブンブンと腕を振る。
「今日は気分じゃないの!行きたくない!」
「いい加減、そのサボり癖どーにかしろアル。気まぐれ女王様の監視も楽じゃないアル」
「面倒だって思ってんなら、サボらせてよ!」
「そーゆーわけにはいかないアル」
私も大概だが、劉も頑固。
私が「嫌だぁぁ」と駄々をこね続けていると、劉は一つ溜め息をついて、私の腕を離した。