青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第7章 確信した
が、残念なことにバスケ部の体育館だけは御免被る。
今行けば、確実に雅子ちゃんに殺されかねない。
「体育館だけは勘弁。それと、ここれ誰かに会ったとか。そーゆーのは秘密ね」
「何か理由でも?」
「そこは聞かないのが、男の優しさってモンでしょ」
私がそう言うと、氷室さんはクスッと笑う。
「そうだ。君の名前を聞いてもいいかな?」
……。
それだけはマジ勘弁。
もしコイツがポロっと口を滑らせてしまえば、私の命は今日で終わってしまう。
「ナイショー。どーせそのうち知ることになるだろーから」
「そうか」
私が背を向けながら「じゃぁねぇ」と手を振り言うと、氷室さんは「ありがとう」とだけ言って、体育館の方面歩いていったようだった。
ま、体育館は大きいし、迷うことなんてまずあり得ないだろう。
私は再び、帰ろうと裏門を出た。
「鈴佳ーー……」
「!?」