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青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】

第7章 確信した




生憎。私はそんなことで快く「はい」なんて答えないし、ましてや困ってる人に手を差し伸べる優しさも持ち合わせていない。


「私、今から帰るから。他当たってよ」


それだけ言い、私は氷室さんに背を向けて帰ろうとした。

多分だけど。彼は三年生だと思うし、二学期からうちの生徒だとしても、今後顔を合わせることなんて、まずないだろう。


「つれないな。帰るだけなんだろう?」

「アンタほどのイケメンだったら、その辺の女に言えば『是非とも』って丁寧に案内してくれるよ。私は勘弁だけど」


久々のサボりなんだ。

ここ最近は私が真面目に部活へ行っているから、と雅子ちゃんのマークも甘くなってるし、劉も「職員室に寄ってから行くね」と言えば、何の疑いもなく、簡単に騙されてくれた。

こんな貴重な機会を、見ず知らずのこんな奴に潰されてたまるか、ってんの。


「うーん…じゃあ、体育館の場所だけ教えてくれないか?」

「は?体育館?」

「ああ。バスケ部が使用している体育館」


げぇ…。

もしかしてコイツ、バスケ部志望なわけぇ?


「…ここから真っ直ぐ行って、左。二つある内の右側がバスケ部の体育館」

「Thank you。君は行かないのかい?」

「何で私が」


もし、気が乗れば。

私は渋々ながらでも案内してあげたかもしれない。

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