青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第6章 神様って
「ふーん…ねぇ」
アゴリラからの文句を聞き流しながら、広げられたアゴリラの教科書と問題集を交互に見ていた紫原が、ふと言った。
「これ違うんじゃなーい?これはー……」
そう言いながら、アゴリラのシャーペンを取り、何やら書き込む紫原。
え…まさか…。
私と劉は目を見開いて、紫原の手元を凝視した。
「こうでしょー?」
スラスラと問題を解いた紫原に、その答えを確認するアゴリラ。
「せ、正解じゃ…」
「うっそ。マジで!?」
「信じられないアル」
自分より二つも上の学年の問題を、少し教科書を見ただけでアッサリ解いた天才。
ホント…コイツ、何者なの?
「え、このくらいも分かんないワケー?」
「「「……」」」
「アツシー!休憩終わんぞー!」
「今行くー」
呆然としたままの私たちを置いて、福井ちゃんに呼ばれた紫原は、ステージを下りて行った。