青春あやまち論anotherstory 【黒子のバスケ】
第6章 神様って
が、理系教科と言うのはそうもいかないので、私は困った。
「アゴリラ…進んでる?」
「わからん」
「流石に私、三年のは教えれないからね」
「……」
そんな絶望的な顔をされても困ります。
分かってますか?私はあなたの後輩ですよ?
「福井ちゃんに教えてもらうしかないじゃん」
「うーむ…そうじゃな…」
福井ちゃんがアゴリラの勉強を見てくれるかどうかは別として。
「ねーねー進んでんのー?」
アゴリラの勉強は見てあげれないため、劉の方を見ていると、休憩に入ったらしい紫原が「よいしょっと」と言いながらステージに登ってきた。
「うわっ全然じゃん」
「うるさいアル」
ムッと紫原を睨む劉だが、コイツは学年は違うとは言っても三位。
私たちが一年の時も、私も劉もそんな順位を取ったことなんてないし、寧ろお互いに三桁だ。
「アゴちんも進んでないじゃーん。大丈夫なのー?」
「アゴちんとはなんじゃ。アゴちんとは」
「アゴリラって呼ばれんの嫌なんでしょー?」
「それも嫌じゃい!」
紫原の、誰にでも「~ちん」とあだ名をつける癖はどうにかならないのか。
私だって「枝ちん」なんてセンスの糞もないあだ名は嫌だ。
それならいっそのこと「枝尾」と呼び捨てにされた方がずっとマシ。
しかもアゴリラに関しては、名前でも何でもない。
あだ名にあだ名を重ねたものだ。